スタッフの声パートIII
2018年 03月 31日
パテ屋
パテ屋と言えば林さん。
当たり前ではあるけれど、「店主」という言葉がぴたりとはまる。
「みせのぬし」がいる
そういった仕事をするのは初めてだったなと気がつく。
今までの仕事は、職場に頼もしい社長がいて、尊敬する師匠や先輩がいて、気持ちを奮い起たせてくれる同僚や後輩がいた。
もちろん、他の仕事も社長なくてはありえない仕事ではある。
けれど「店主」のいる店は、仕事だけでなく
そこに流れる空気や時間だったりする
曖昧な事に関しても「店主」なくては成り立たない。
空間を作る人なのだと思う。
ひょんな機会からパテ屋で働くことになり週4日の仕事、ほんの2年間
その中で思いもよらない新鮮な感覚を味わった。
こちらの店主はなかなかあくが強い。
私自身美大を出て、あまり主流とは言えない仕事をしてきて
個性的な人達とは沢山出会ってきたとは思う。
彼女はその中でもなかなかの猛者である。
物事への姿勢や考え方が、群を抜いてオリジナルだ。
そうかと思えば、様々なテレビ番組をこよなく愛し
ちょっとミーハーな1面もある。
彼女の感覚を自分の中に取り込むのは難しい。
なまじ理解したつもりで接すると痛い目をみる。
ふと気がつく。
彼女は揺るぎない芯をもちながら、絶えず変化しているのかもと。
‥‥何か違う。
おそらく、彼女は引き出しが多すぎるのだ。
また、それを引き出す方法もたくさん持っている。
その日の天気、温度、湿度を体ぜんぶで感じ、自身の体調、感情によりそい、そうして改めて新鮮な気持ちで、持っている引き出しをひらいてみる。
結果、思いもよらない形になっている。
そんな彼女をしっかりと理解するなんて無謀なことだ。
だから魅力的なのだろう。
パテ屋にはマニュアルがほとんどない。
なぜなら彼女はそれをいやがるし、スタッフも皆、店主の引き出しを覗き見しながら、各々の引き出しを駆使して仕事をする。
全ての仕事に通じることなのだと思うが、こんなにも強く感じることは今までなかった。
中に入らないと分からないこの感覚。
きちんと言葉にできないこの感覚。
けれど、私の中には確かに残った。
山田
パテ屋のことを思い起こしてみてふと浮かんだこと
・林さんチョイスの展覧会等の貼り紙
・失敗を喜んでくれる頼もしさ
・真っ赤なほっぺたのふくふくした赤ちゃんをみて
二人して異様にテンションが上がった。
他の人が気がつかなかったささやかな事に気がついて
ハマるツボが同じ時がたまにある
・きれいな紙皿の林マーク
・粉コーヒーなどを、どうみても入りきらないだろうといったサイズの
ビンの中へみるみるうちに収めてしまうので、いつも不思議。
by pateya | 2018-03-31 18:57 | パテ屋の日々